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宮城県図書館だより「ことばのうみ」第2号 1999年7月発行 テキスト版

おもな記事

  1. 表紙の写真
  2. 表紙エッセイ 『触読のすすめ』 作家 佐伯 一麦さん
  3. 『生涯学習時代の拠点として』宮城県図書館長 熊谷繁
  4. 特集 『本を探す』~検索のポイントと本探しのコツ~
  5. 貴重書の世界「五山版」
  6. わたしのこの一冊 ヨハンナ・スピリ『アルプスの少女』
  7. 図書館Q&A
  8. 図書館からのお知らせ

表紙の写真。

子ども図書室で読書を楽しんでいる親子の様子です。

表紙エッセイ 『触読のすすめ』 作家 佐伯 一麦さん。

ツン読、速読、立ち読み、黙読など、本の読み方は数多あるが、その中には、触読というものもある、と私は、おもむろに挨拶を交わすようにして本に触れていく。
それは、18の頃書店で働いていた習い性のようなものかもしれない。いまでも、知らず知らずのうちに書架の本の背を揃えたりしている自分に気がつく。けれども、そうやっていて、はじめて存在に気付き、ふとページを開いてみる気になる本もあるものだ。挿画の微妙な色合い、装幀の感じ、活字のちがい、紙の色、それから紙やインクのかすかなにおい、手触り、重み、それらは実際に手に取って触ってみなければ味わえない。新しい本の糊の効いたワイシャツのような新鮮さもよいが、分厚い古典全集が少しずつ色褪せていくのを見つめ続けるのもよいものだ。学校帰り、勤め帰りに図書館に立ち寄る人々に、本は、明日も働こう、という静かな熱を与えてくれているようだ。

なるほど情報室~みやぎ資料室&新聞・雑誌室から

巻頭のエッセー『触読のすすめ』は仙台市在住の作家・佐伯一麦さんのご寄稿です。佐伯さんの著書『川筋物語』(かわすじものがたり=1999年 朝日新聞社刊)など、宮城県関係の本や資料は、「みやぎ資料室」(3階西側)でいつでも閲覧できます。貸出用の『川筋物語』は一般図書室にあります。
また、『川筋物語』は単行本として出版される前に、『アサヒグラフ』(1997年4月25日号~1998年6月19日号 朝日新聞社刊)に掲載されました。単行本にはないグラビア写真も多数載っていて、最初に掲載された雑誌を探すという図書館ならではの楽しみ方ができるのではないでしょうか。閲覧を希望される方は、新聞・雑誌室(3階東側)でお申し込み下さい。

『生涯学習時代の拠点として』宮城県図書館長 熊谷繁。

この4月から、新館オープン2年目を迎えた宮城県図書館の館長として、重責を担うこととなりました。新館は、閲覧室の充実を始め、こども図書室や展示室の新設、視覚障害者に対する音訳サービスの提供などさまざまな機能を備えていることから、昨年度の入館者は約104万人、貸出冊数は約97万冊という成果を挙げております。新しい図書館のサービスはお陰様で県民皆様の高いご支持をいただいていると言えるかと存じます。
県図書館の役割は、来館者に対する直接サービスの提供はもちろん、豊富な資料を背景としての市町村図書館への協力貸出やレファレンスサービスなど、質の高い図書館サービスを全県域に亘って提供することであります。生涯学習時代の拠点として、市町村図書館や公民館、関係機関との協力・連携の下、県民のための親しみやすい図書館として参りたいと存じますので、皆様の一層のご利用をお願い申し上げます。

特集 『本を探す』~検索のポイントと本探しのコツ~

書架を探しても、検索してもお目当ての本が見つからないときってありませんか。そのとき、すぐにあきらめないでください。図書館にある本や資料は、利用者が効率的に探し出せるように、いくつかのルールに基づいて、整理、保存されています。このルールがわかれば、読みたい本、調べたい本を的確に、すばやく探し出せるのです。今回は、一般図書室の本を中心に、検索のポイント、本探しのコツを紹介しましょう。

司馬遼太郎の『街道をゆく』を読みたいと思い、キーボード式の検索用パソコンに「カイドウヲユク」と入力しましたが、「検索結果が0件でした」との回答。探し方が正しくないのでしょうか。

書名を読み方で検索する場合、カタカナで入力しますが、「カイドウヲユク」では出てこないのです。助詞の「ヲ」は「オ」に置き換えて、「カイドウオユク」と入力してください。(ポイント1参照)このルールは「日本目録規則(1987年版)に基づくものです。パソコンが導入される以前に使われていた「カード式目録」は、一般的に発音どおりの書名の読み方で、アイウエオ順に並べられていました。これは図書館界の約束事なのです。
今では、パソコンで『街道をゆく』のように漢字検索(書いてあるとおりの文字で本を探すこと)ができるようになったので、どうしてと思うかもしれませんが、読み方で本を探すときはご注意ください。
また、『街道をいく』『街道を行く』など、書名が正確でない場合には、まずはできるだけ短い単語「カイドウ」で検索してみる方法もあります。

米国の海洋生物学者レイチェル・カーソンの著書を探そうと思い、タッチパネル式の検索用パソコンに「姓=レイチェル 名=カーソン」を入力しましたが、検索結果は0件でした。なぜですか。

タッチパネル式の検索用パソコンを使って、外国人の著者名から本を探すときは、姓名の順で入力してください。レイチェル・カーソンの場合、姓はカーソン、名はレイチェルですから、この順番で入力します。
ただし、外国人の名前は翻訳者によって書き方が異なる場合があり、Rachel Carsonはレイチェル・カーソン、レイチェル・カースン、レーチェル・カーソンなどがあります。こうした可能性も考えて、いくとおりか調べることをおすすめします。なお、キーボード式検索用の場合は、「読み」ボタンをチェックしてから、カタカナで入力してください。このとき、姓名の間にスペースを空けずにカーソンレイチェルと続けて入力してください。大文字でCARSONRACHELと入力してもよいです。

ステンドグラスに関する本を探したいのですが、書名はわかりません。

ジャンル検索にチャレンジしてみてください。図書館では、ステンドグラスについての本は751.5の分類番号が与えられます。本のラベルの上段に書いてある数字は、この分類番号です。一般には馴染みがないですが、この分類番号に従って図書館の本は配列されているのです。この図書館のルールを活かしたのが、ジャンル検索です。
たとえば、ステンドグラスについての本を読みたいときは、キーボード式の検索用パソコンの”ジャンル”の項目に、「ステンド」でも「ガラス」でもできるだけ短い言葉を入力して、「ジャンル参照」ボタンを押します。「ステンド」で入力すると、建築と工芸の2つの分野のステンドグラスが候補に出てきます。そこで、ガラス工芸(751.5)の方を選べば、ステンドグラスに関する本のリストが表示され、『現代日本のガラスアート』(書名にステンドグラスが含まれない本)や、『Contemporary stained glass』(洋書)も探し出すことができます。ジャンル検索は、書名や著者名がよくわからないとき、ある主題に関する本を調べてみたいときに便利です。

検索用パソコンで検索した結果を印刷したら、「詳細情報」では、本の場所区分が「一般書庫3」とありました。これはどこの書架でしょうか。

「一般書庫3」は、3階の閉架書庫(へいかしょこ)のことです。「一般書庫4」とあれば4階の閉架書庫です。宮城県図書館は約70万冊の本を所蔵していますが、すべての本が一般図書室の書架に並んでるわけではありません。一般図書室の書架は開架(かいか)といい、利用者が自由に本を手にとって見ることができます。ここに並んでいるのは、1995年以降に刊行された比較的新しい本が中心です。検索用パソコンでは、「一般開架」と表示されます。
3階と4階の閉架書庫には、古書や絵図等の貴重書や1994年以前に刊行された本などを収蔵しています。閉架書庫には、利用者は入れません。ご希望の本は職員が用意しますので貸出カウンターで申し込んでください。

時空をこえて 貴重書の世界 伊能忠敬の『沿海地図』。

江戸時代の1800年代、日本全土を測量し地図を作製した伊能忠敬が没して180年目にあたる1998年、江戸東京博物館で「伊能忠敬展」が開催され、多数の観客が詰め掛けたという。また日本歩け歩け協会が忠敬歩いた全国測量の道を歩く「ニッポンを歩こう」を企画し、2年がかりで日本列島を一周しようとしている。こうした忠敬の関心は、その業績の偉大さだけではなく、隠居後の50歳から江戸に出て、天文・暦学を学び、全国を測量して地図を作製し、73歳で死去する前年まで続けたという「生涯青春」ともいうべき生き方に共感するからであろう。
伊能忠敬の測量隊が作製した日本図は、伊能図といわれ、大・中・小の3種類あり、すべて手書きの地図である。本館所蔵のものは旧仙台藩主伊達家から伝わり、中図(ちゅうず)とよばれ軸装され、5軸ある。東北地方で伊能図を所蔵しているのは本館だけで、大変珍しいものである。
写真の図は、奥州南部で仙台藩領を中心にしている。

わたしのこの一冊 少年少女世界名作文学全集 第12巻『アルプスの少女』ヨハンナ・スピリ原作 高橋健二訳 1960年 小学館刊

「わたしとハイジ」富谷町 根本由紀子。
「好きな人はだれですか」と尋ねられると、「ハイジです」と答えていたのは、小学校低学年の頃だっただろうか。
当時、私は岩手の山間の寺町に住んでいた。そこで出会ったハイジという少女の明朗さ、純真さが、幼い私の心を打ったのであろう。どこか遠いところに知らない国があり、自分と同じように野山で遊ぶ少女がいる。初めて外国を知ったのもこの本からだったように思う。
また、ハイジが神へ祈る姿は、毎朝仏壇に手を合わせる自分とかさなるものがあった。目には見えない崇高な存在に私たちはともに祈っていたのだろう。
120年も前の遙かなアルプスの山の少女の物語なのに、今読み返しても、清浄なものへの憧れと美しいものへの愛情が呼び起こされる。私のなかでハイジは、野山を駆け回る少女から、一人のすばらしい女性まで変幻自在に年をとる。そして、本に夢中になっていた私もこうして年をとり、今は60、70と老いたハイジに会ってみたい。アルプスの空や山々を後ろに、心ゆくまでその人生について語ってみたい。

図書館 Q&A。

仕事の都合で、宮城県図書館は土・日曜日に利用しています。月末の館内整理日を土・日曜日以外にしてほしいのですが。

館内整理のために、これまでは曜日にかかわらず毎月末日に休館してきました。利用者のみなさまが利用しやすいように、8月からは館内整理日を第一金曜日(祝日の場合は前日)に変更し、土曜日と日曜日は開館します。ただし、土曜日と日曜日が祝日にあたる場合は休館です。館内整理日は8月6日、9月3日、10月1日、11月5日、12月3日となりますので、ご留意ください。

図書館からのお知らせ。

江沢民中国国家主席寄贈「書」『登高望遠』などの展示。

期間は平成12年3月30日(木曜日)までです。
時間は午前9時30分から午後5時までです。
会場は図書館2階 展示室です。
申込不要、先着200人が定員です。お問い合わせは企画担当 電話番号:022-377-8444までどうぞ。

みやぎゆかりの先哲たち「千葉卓三郎と五日市憲法」講演会。

日にちは平成11年8月1日(日曜日)です。
時間は午後1時30分から午後3時までです。
講師は仙台市博物館副館長 佐藤憲一氏です。
会場は図書館2階 ホール養賢堂です。
申込は不要、先着100名です。
お問い合わせは企画担当 電話番号:022-377-8444までどうぞ。

地形広場の開放。

営利を目的としない団体・グループに対して、宮城県図書館の『地形広場』を無料で開放します。階段状の野外劇場を思わせるスペースです。演劇、朗読劇、合唱、ミニコンサートなど…、多様なジャンルの催しが可能です。日頃の学習成果の発表にいかがでしょうか。ただし無料開催のものに限ります。
利用30日前までに申請書を提出していただきます。
お問い合わせは総務班 電話番号:022-377-8441までどうぞ。

『わたしのこの一冊』原稿募集。

とっておきの一冊をご紹介ください。その本が語りかけてくれたこと、本にまつわるエピソードなどを綴ってください。原稿は400字以内。別紙に本の題名、著者名、出版社、発行年と、住所、氏名、電話番号、年齢(学年)をご記入のうえ、図書館だより係あて郵送してください。


この「ことばのうみ」テキスト版は、音声読み上げに配慮して、内容の一部を修正しています。
特に、句読点は音声読み上げのときの区切りになるため、通常は不要な文末等にも付与しています。

「ことばのうみ」は、宮城県図書館で編集・発行しています。
宮城県図書館だより「ことばのうみ」 第2号 1999年11月発行